労山の地理条件

労山山脈は山東半島南部の黄海に沿ってそびえ立ち、青島市内より40kmの距離ある。北緯36.05度~36.19度、東経120.24度~120.42度に位置する。東と南と両面に海に面し、西部では、南から北へと青島市内にある市南区、市北区、四方区、李滄区、城陽区と隣接し、北部では、即墨市と隣接する。南東部では、海岸線は延べ87.3kmと曲がりくねって、名前ある13の海湾が形成されており、16の島が点在している。
走る方向により、4つの支脈に分けられる。巨峰支脈は巨峰と黄海に突き込む山々からなり、東にある標高1132.7mの巨峰を最高峰とし、三標山支脈は石人川以西と白沙河以北の山々からなり、北西部にある683mの三標山を主峰とし、石門山支脈は白沙河以南と張村以北の山々からなり、西部にある570mの石門山を主峰とし、午山支脈は張村以南と黄海北岸の山々からなり、南西部にある398.3mの午山を主峰とする。なお、その延長部は北では即墨市まで、西では膠州湾畔まで、南西では青島市内までを走る。
暖温帯大陸性モンスーン気候に属し、四季と季節風の変化が激しく、降雨量が豊富で、年間を通し温度が適しており、厳冬と酷暑なく、気候が温和である。そして、黄海に臨むだけに、春が冷たく、夏が涼しく、秋が暖かく、冬が暖かく、そして、昼夜の温度の差が小さく、無霜期が長く、湿気が高くて海洋性気候のようにも感じる。海に近く、そして、地形が複雑であり、東部では、降雨量がわりと多く、空気が湿潤であるため、太清宮付近は「小江南」と言われ、一方、巨峰以北は「小関東」とも呼ばれ、また、わりと低い山と丘陵からなる中部では、降雨量がほどよく、半湿潤温和地域が形成されている。
亜熱帯と北温帯との中間の地帯で、そして、黄海に臨むから、気候が温暖湿潤で、北方植物はもちろん、移植されてきた南方植物の成長や繁殖にも適している。また、地形が複雑であり、植物の種類が豊富で、森、低木、草むら、砂やアルカリに耐える植物、農業栽培植物など豊富な植生を形成している。